EC市場の拡大やオムニチャネル化の進行で、物流オペレーションが複雑化する一方、作業員の確保が一層困難になっています。この課題解決にいち早く着手したのが、フルフィルメントサービスを手掛ける物流会社の株式会社アッカ・インターナショナル(以下acca)。株式会社ギークプラス(以下Geek+)が提供するAI物流ロボット『EVE』を日本で初めて導入し、物流ロボットソリューション運用の先陣を切っています。弊社代表の金澤が、accaとGeek+が入居する千葉ニュータウンの拠点を訪ね、EVEが活躍する最新型の倉庫を見学させていただくとともに、acca代表取締役の加藤大和氏、Geek+代表取締役の佐藤智裕氏の両者と、AI物流ロボットが拓く物流現場の変革と物流の未来について熱く語り合いました。

日本初!Geek+のAI物流ロボットEVEが稼働するaccaのECファクトリー

金澤: 両社が入居されているプロロジスパーク千葉ニュータウンの倉庫は、何度見ても感動を覚えます。今、EVEは何台稼働していますか?

加藤: 現在はEVEが30台、棚800台ですが、9月からはさらに90台、棚1,700台を追加します。ここでは主にアパレルやシューズの入出荷業務に利用していて、スタッフは4カ所のワークステーションで作業を行います。各ステーションに配置する人員はたった1人です。コントロールパネルの指示に従うだけの簡単オペレーションですので、誰もがすぐに、同じ効率で入出庫作業ができます。

佐藤: EVEは、倉庫内で人が歩くことをなくします。ロボットが倉庫内を移動し、必要な棚をワークステーションまで運び、作業を終えた棚を納めるべき場所へと運びます。床には1mピッチで線が引かれ、等間隔でQRコードシールが貼られています。QRコードは各棚にも付与されています。ロボットはQRコードで位置情報を正確に読み取り、棚を移動、配置します。人が棚の間を移動したり、通路で作業したりしませんので、通路幅を狭くしてより多くの棚の設置が可能で、庫内のスペースを最大限有効に活用できます。しかも、AIロボットですので、日々効率的な動きを学び、判断していくようになります。

金澤: 棚が動くという点がパラダイムシフトです。最初にEVEの話を聞いた時は、「人手不足解消にどの程度役に立つのか? 投資効果はあるのか?」と懐疑的でしたが、実際に現場を見て「これはイケる!」と確信しました。


急増・多様化する作業にスタッフが追いつかない!

加藤: 数年前からEC市場が急激に伸びて、システムも含めてやり方を変えないとまずい、という危機感がありました。例えば、従来はEC(BtoC)と卸用(BtoB)では在庫を分けて管理するのが普通でした。ところがECの売上がぐんと伸びると、卸用の在庫は潤沢にあるのにEC用の在庫は足りない、といった事態が発生します。オムニチャネル化の流れもあり、ECの注文でも卸用の在庫を使えるよう、ECと卸用の在庫を区別することなくメーカーの全在庫を管理してほしいという要望が出てきたのです。EC用と卸用では管理体制が全く異なり、違う種類の作業が混在してキャパオーバー目前でした。これは刹那的な動員では追いつかない、自動化しなければ無理!という判断から、ロボットや無人搬送車(AGV)を調べ始めました。

金澤: 人口減少に伴い、これからは働き手の確保が本格的に難しくなります。物流業界も、少ない人員で確実に処理できるソリューションに投資をしていかないと事業継続も難しくなります。今後は当たり前のようにロボットを導入していく時代になるでしょう。その先鞭を付けたのがaccaさんですが、どのような経緯でGeek+のEVEに出逢ったのですか?

加藤: 物流ロボットシステムを導入するには億単位の投資が必要で、大企業ならともかくベンチャーにとっては容易な判断ではありません。大きな決断になるので、比較検討のために、国内外のメーカーや稼働現場を見学して回りました。その過程で、中国の大手EC企業「アリババ」が採用している中国のGeek+を知ったのです。

金澤: アリババの膨大な取引量を見れば、人の手による作業では追いつかないことが明白です。

加藤: 中国でEVEが稼働する倉庫に朝から出向き、オペレーションを見学しました。当日の出荷量を聞いたところ、午前中に3,000ピース程度の出荷があるといいます。当時、同等の出荷量をさばくのに、当社なら20~25人は必要な作業量です。これを何人で処理するのかと思ったら、作業員はたったの2人。それぞれがワーキングステーションで次から次へとさばいていくのです。1名あたり1時間で約300ピースの出荷処理を間近で見て、「これは使える!」と思いました。その様子を動画で当社に送ったら、やはり「すごい、欲しい、買って来て!」と(笑)。もちろん、その場で交渉スタートです。しかし、当初Geek+の中国本社は、EVEを日本に売るつもりがありませんでした。日本のマーケットは小さいし、導入するならそれなりの体制を作る必要があるが今はできないと。でも、こちらもそこで引き下がるわけにはいかないので、「日本に導入が始まれば世界に売れる、失敗してもいいからaccaをテストケースにしてやってみましょう!」などと、もはや「購入する」というよりは「入れてください」とお願いをしに行ったような展開になりました。


決め手は、現場目線に徹した設計思想

佐藤: 私はもともと物流会社にいてマテハンを購入する側でした。縁あってGeek+を知り、ちょうどそのタイミングでaccaが導入したいという話があって、では一緒に始めましょうかという流れで日本法人を立ち上げるに至りました。Geek+の開発スタンスは、「現場を知らないとお客様が望むものは作れない」という考え方です。どういう機能をどういう風に組み立てれば現場の課題が解決するのか、現場の動きがわかる人間が商品開発しています。

加藤: 私も企業としてのスタンスに共感しました。たいていのマテハンメーカーは、最初にハードウエアありきでソフトは後、仕組みにユーザがあわせるという考えが主流です。Geek+は立ち位置が全く違いました。彼らは、クライアントのビジネスの加速化、効率化にフォーカスしており、その観点から生まれた様々なソリューションを持っています。ロボットはその一つで、とにかくユーザ目線で設計されていることに驚きました。

佐藤: 例えば障害物が突然現れて、あるロボットが停止するとします。EVEはその1台だけが止まり、障害物がなくなれば元通りに動きます。しかし他のAGVは、システムで動くロボットすべてが「緊急停止」という形で止まります。障害物をどけても、いったんすべてをクリアにしてシステムを再起動しなければなりません。こうしたロスは大きなダメージにつながります。Geek+はソフトで各ロボットを制御できる柔軟さを持たせています。1台に不具合が生じても他のロボットは問題なく稼働しますから、業務が止まる心配がありません。

加藤: 物流会社にとって物流業務を止めないことは、なによりも重要です。しかも、メンテナンスは1台ごとの対応が可能で、システム全体に及ぶような大がかりなことにはなりません。原則的に自分たちで消耗品を交換すればよく、修理扱いにならないように考えられています。しかも消耗品は安価に設定されているうえ、その他の部品には丈夫な素材が使われており、壊れにくいように設計されています。

加藤: accaがEVEを選んだ理由を整理すると、以下の6点が挙げられます。

①【効率】1時間で約300ピースの出荷ができるほどの圧倒的な作業効率
②【稼働実績】世界中で4,000台が稼働している実績
③【柔軟性】稼働数が多いことで物流のソフト群が充実。カスタマイズや柔軟性に富む。ロボットの動きにユーザがあわせるのではなく、現場が欲しい機能を持つ
④【価格】台数が出ているので初期の研究開発費は回収済み。販売コストにも反映され価格が抑えられている
⑤【高品質】ロボットはすでに第5世代。改良を重ね、バグはほとんどなく安定稼働を実現
⑥【小型化】小型化が進み、倉庫内での通路を狭くできるため、保管効率が良い

佐藤: 「安くて保管効率が良く、世界実績No.1」これがGeek+の強みです。


成長スピードが恐ろしく速いGreat China!

金澤: 私も頻繁に中国に行きますが、なにはともあれGreat China! 行くたびに感動があります。

加藤: 成長のスピードが速いですね。Geek+もそうです。1年で様々なロボットがどんどん開発されています。

佐藤: 日本にGeek+が入った当時は、中国を中心に全世界でも1,500台程度だった導入台数が、今は4,000台。1年で2倍以上の導入実績を重ねており、開発も次世代に移行しています。次世代型といってもソフトが制御していますので、ロボットの新たな動きや制御が開発されれば、初期型もUpdateできます。1年前にaccaが購入した製品も、これから購入する製品も、中身は同じになる。つまり初期型であっても古くなりません。これは、投資価値としても大きいと思います。

加藤: EVEは非常にユーザビリティが高いと感じます。現場に当日初めて入った人でもすぐに使えるようにできています。開発元である中国のGeek+では、ロボット開発だけでなく、自ら物流業務の受託もしています。営利目的というよりはむしろ研究開発的な意味合いで運営しているようです。実体験を商品開発に活かすことはもちろん、開発商品をお客様に出す前に自前の物流現場でテストしている。R&Dにこうした投資しているのですから、現場のかゆいところに手が届く良い製品が生まれてくるのだと実感します。

金澤: 中国メーカーは製品の定義、目指す方向性がはっきりしていますね。IoTにしてもロボティクスにしても、合理的でコンセプトが明快。割り切る部分はキッパリ割り切る発想がすごいです。新技術と旧技術が共存するのも面白いですね。開発にお金がかかり製品が高額になって普及しない、なんてことになったら意味がない。古い技術でも有効なら迷うことなく採用し、コストを抑えていち早く市場に出します。日本の場合は、「この技術、製品ができたので、使い方を考えてください」というアプローチになりがち。使い方を考えてくれる人を探しているうちに、時代に置いていかれてしまいます。


投資が進まない物流業界のトラウマとは?

金澤:過去には、自動倉庫などマテハンへの投資が流行った時期がありました。そのうち工場が中国、アジア諸国に移動していき、空いた倉庫を物流会社が利用するようになり、再び人が作業する方向に戻って来ました。それがもう一度自動化へ、という流れになっています。自動化といっても以前と異なるのは、可用性、柔軟性の高い自動化で、ロボットがメインになることに新しい流れを感じます。

佐藤: まだまだ物流における投資は進んでいないのが現実です。長期にわたり固定の業務が確約されていれば投資しやすいと思うのですが、3PLのように荷主次第で荷物の状況が刻々と変わる業態では、怖くて投資しにくいですね。業務フローが変更になったり、荷主が退去したりで、使わなくなったソーターなどをよく見かけました。

加藤: 3PLの仕事は、来たものを受けるという立場。荷主都合で振り回されるのは当たり前で、自社で荷物をコントロールできません。こうなると、大がかりなシステムへの投資はしにくいでしょう。その点、Geek+は拡張性、柔軟性に優れていて、フレキシブルに使える点で投資しやすいと思います。

佐藤: 我々はそこに商機があるだろうと考えています。accaは日本でのEVE導入第1号の顧客ですが、導入現場を我々のショーケースにしようと、ここに日本法人を置きました。スタートしてから、すでに1,000社以上が見学に訪れています。特に3PLは我々にとって重要なお客様です。今までは荷主さんと3PLは1対1の関係性だったと思いますが、我々のサービスを使えば、荷主で棚を分ける必要がなくなるため、複数の荷主に対応させることが可能になります。在庫量や波動の違う荷主を一緒にできるのです。

加藤: 従来は、顧客ごとに棚位置が決められて、その荷主の商品しか置けませんでしたから、坪単価の請求しかできませんでした。しかし、これからは棚が空けば別の顧客の荷を入れることができるようになる。棚の共有ができて場所が有効活用できるようになりますから、1個あたりの請求も成り立つようになる。坪単価の考え方から作業量へと転換してくると思います。これは3PLの単価にも反映されていくでしょう。

金澤: 導入のハードルはそれほど高くないのに、「ウチにはまだ早い」とか「もうちょっと検討してから」とか、物流会社が全般的に及び腰なのはなぜでしょう?

佐藤: 過去、物流の自動化が注目された時期に、流行に乗って自動倉庫化に投資して失敗した経験がトラウマになって、慎重にならざるを得ないのかもしれません。この1年は、物流ロボットという新たな自動化のスキームを吟味する時間だったのではないでしょうか。ようやく土壌が耕されてきて、大手が動き始めています。

金澤: 投資に対するリテラシーを高めていく必要がありますね。以前のような建築物扱いの自動倉庫とは全く違う投資で、制約も少なければ投資額も低く減価償却が早い。そこは、我々もセミナーなどを通じて伝えないといけないところだと思っています。例えば、運送業をやるのにトラックは買わないなんていう人はいないでしょう。物流の今後を見据え、ロボット化への投資が当たり前のレベルに持っていかないと。

佐藤: ロボットは「利益を生むため」というよりも、「業務改善」への投資に見えてしまうのでしょう。そこがやっと転換しつつあり、実は「守り」ではなく「攻め」の投資で、その効果が大きいことにやっと気付いた企業が現れ出しました。accaとコラボしていくつかの企業に納めることが決まっていますが、その他にも大手自動車メーカーの工場や大手物流企業、大型家電量販店など、大企業での導入が進み始めています。


EVEを中小3PLが導入するメリット・デメリット

加藤: EVEを導入して実感したのは、作業員が倉庫内を歩かなくなったことです。歩く時間は、物流作業の3割を占めるといわれています。物流コストは1%だって削るのは大変ですが、それを30%削減するのと同等のパフォーマンスです。ロボットの導入価格はだいたい1人分の年間の人件費とほぼ同額で、生産性は圧倒的に高い。投資費用は2~3年で回収できるので、そこからはコスト競争力が出始めますから、人手不足対策とコスト競争力を加速させるパワーがあります。

佐藤: 荷主さんにも、コストダウンを提案できるようになりますね。減価償却が終われば他社では提案できないくらいの価格を提示できるはずですから、荷主さんはaccaから離れることができなくなります。他社が慌ててロボットを導入しても、やはり早くから始めた方に利はあり、その差は大きい。これが日本で最初にGeek+を導入したaccaにとって、最大のメリットとして活かせると僕は思っています。

加藤: Geek+をいち早く導入した経験は、自社のブランディングにも活きています。人手不足の問題とともにロボットに注目が集まり始め、物流で投資が始まりそうだと、デベロッパーや金融業界など新たなプレイヤーが続々とこの事業に参入しています。コンペなどでGeek+を担いでプレゼンする企業が増えてきましたが、現場で1年使った経験則は大きくて、名だたる大手ではなく僕らのようなベンチャーに任せようという会社が増えているのは事実です。

佐藤: accaはロボットを入れたことで新たな顧客を獲得しています。中小の物流会社は、同じようなことを同じようなロケーションで同じような価格帯でやっていますから、差別化しにくい。企業の強みを打ち出すのがなかなか難しいのですが、早くに始めたaccaのロボットソリューションの経験は、大きなアドバンテージです。これが中小の物流会社がロボットを導入するべき大きな理由になると、私は思います。導入のデメリットは何もありません。今後、シェアリングやレンタル、リースといった様々な方法が出てくることで、中小3PL会社にとって、導入のハードルは大きく下がります。どこで投資をするかだと思いますが、何もない物流会社にとってこそ、Geek+のロボットを導入することは営業力、武器になると思います。


物流をコストから武器へ

金澤: 新たなプレイヤーの流れの一つとして、オリックス株式会社(およびオリックス・レンテック株式会社 以下、オリックス)もEVEを取り扱われるようですね。

佐藤: オリックスではすでに2018年5月から、RoboRen(ロボレン)というロボットレンタルサービスを展開しています。大変ありがたいことに、ユーザからGeek+ のEVEも扱ってほしいとの要望が多く寄せられたそうで、オリックスさんの方からお申し出いただきました。

金澤: レンタルという手が使えるのは嬉しい。これはシェアリングの考え方にもつながります。今、当社ではハンディターミナルを貸し出すサービスを行っていますが、同様のサービスをEVEでもできるのではないか、ロジザードのユーザ向けにEVEの貸し出しも行ってみたいと思い付きました(笑)。
物流ロボットの登場は原価革命です。でも、物流のコスト構成はほぼ丸裸なので、ロボットを入れたらコストが下がったでしょう、だから安くしてよ、というロジックになりやすいのがツライところです。投資や努力で得る利益が即、値引き交渉になりがちで、物流の未来を考えるとこの構造もどうにかしないといけないといけないですね。

佐藤: 「物流を武器にする」という意識を荷主が持つと、もっと円滑に回っていくと思います。今、「物流=コスト」ですから、安さ以外で勝負ができない世界になってしまっています。これを「物流=武器」に変えていくことが重要です。物流を制する者がマーケットを制するのは間違いありません。

金澤:ヤマト運輸が放った大砲は、インパクトがありました。荷主側の姿勢が少し変わってきましたね。

佐藤: ロボット導入は、やるなら早ければ早い方が効果的です。経験が営業の売りになります。大手の後に中小が追随しましたという流れだと、大手の動きが目立って中小は埋もれてしまいますが、中小がいち早く着手すれば目立ちます。チャンスは大きい。今、Geek+は日本の物流のノウハウをどんどんソフトに反映しているので、導入しやすくなっています。

加藤: 拡大すれば、日本レベルでGeek+EVEのネットワークが作れます。こうした利用も含めて、活性化が進めばと思っています。


人手不足の悩みを根本的に解消し、物流業界をスマートに

加藤: 当社では、QRコードの読み取り型だけではなく、SLAM型(セルフマッピングシステム)も稼働しています。ピックした荷物を次の現場に持っていく、点から点への移動を担います。

佐藤: 倉庫内で人が「運ぶ」作業をなくそう、というコンセプトの製品で、行き先を指示するだけでロボット自らがベストな道を選んで移動します。9月からは大手自動車会社の工場で、1トン荷重に耐える大型のタイプを稼働させます。上海の展示会でお披露目する新製品もありますので、期待してください。

金澤: 私には、「物流現場をなんとかしたい!」という強い思いがあります。ロジザードは現場を知っていますから、Geek+との相性がいいお客様のこともわかります。今までは、最初にマテハンを入れてみたものの使いにくいからなんとかして、という後始末のような相談が多く寄せられていました。最初からロボットを活用することを前提としたアプローチをした方が、お客様にとってもHappyだと感じます。

佐藤: Geek+は、ロボットは持っていますが、WMSやハンディターミナルなどの道具は持っていません。ロボットを中心に、周辺のWMSもあわせて一連のソリューションを提案することは、業界にとっても良いと思います。

加藤: 従来は業務に精通した人じゃないと、空いている棚や商品の配置などがわからず、属人化による弊害がありました。でも今は、空いている棚はモニターで一目瞭然だし、棚を選ぶのは人ではなくてEVEです。作業は誰でもその日からすぐにできて、誰もが同じ効率で作業できます。1時間だけ働きたいという人も戦力として受け入れられますから、雇用枠も広がります。現在は、人手不足対策として倉庫に託児所を併設する物流会社が流行っていますが、業務が複雑だと1時間だけとか、数時間だけの単発勤務ではなかなか戦力にならないのが現状です。

金澤: 暗い、埃っぽい、仕事がきつい、といった従来の倉庫に対するイメージがガラッと変わって、働きたくなる環境ですしね。

佐藤: EVEのカラーリングをコーポレートカラーにしたり、1台1台に名前を付けたりして、倉庫内がカラフルで楽しい雰囲気の企業もありますよ。

金澤: 3PLは特に、早急に対策が必要だと思います。もし今、中華系大手物流企業が日本に進出してきたら、思いきりなぎ倒されて終わってしまうかもしれません。彼らはやろうと思えばやる力とお金がある。それはとても脅威です。

加藤: そうです。だからこそ、我々はこの倉庫をオープンにして、多くの人にAI物流ロボットを導入するメリットを感じてほしいのです。利用者をもっと増やして、日本におけるアップデート情報をGeek+に要望していかなければなりません。まだまだ日本の物流業界の体力は弱い。取扱量の増加に対して、「なんとかして人を確保します」「新しい派遣会社を見つけました」「シャトルバスで運びます」などの根本的な解決にならない提案に、荷主はうんざりしています。荷主がうろうろしてしまっている現状で、物流会社や3PL同士が競合して体力を奪いあっている場合ではないと思います。

金澤: 同感です。今日は、物流業界が変わっていくためのヒントをたくさんいただきました。加藤社長、佐藤社長、ありがとうございました。


取材場所: acca ECファクトリー千葉(プロロジスパーク千葉ニュータウン)